死亡事故について
死亡事故は死亡した被害者が不利になりやすい?

2020年の香川県内の交通事故死亡者は59人で、人口当たりで換算すると全国でワースト1位になります。
死亡者のうち高齢者は44人で77%を占めており、1948年から統計を始めてから死亡者のうち高齢者が占める割合としては、香川県内では一番多くなっています。
死亡事故の内容は自動車対自動車、もしくは自動車対歩行者がほとんどを占めます。
一昔前の死亡事故に比べて自動車対自動車の場合は、自動車の性能やエアバックや安全機能の性能の上昇から、以前は運転者が死亡していたような交通事故でも、怪我だけで済むといったことも多くなっています。
一方で、自動車対歩行者の場合、高齢化社会の加速により高齢の歩行者が交通事故に遭うという事例が増えています。
死亡事故の場合、『死亡した方は悪くない。自動車を運転していた方が悪い』という論調が主流になりがちです。
日本の道路交通法は歩行者優先で、交通事故の場合は自動車の方が過失が多くなるように歩行者の保護がされているからなのです。
しかし、実際には『歩行者が車道に飛び出す』・『信号を無視して横断歩道を渡る』といった、歩行者の過失が多いものもあり、一概には言えません。
死亡事故で加害者が有利になりやすい理由とは

では、死亡した歩行者に非がない死亡事故の場合、一方的に優位に立てるかと言うとそうではありません。
自動車対歩行者の死亡事故の場合、『歩行者は死亡したが、運転手は生存』というパターンが圧倒的だからです。
死亡事故に限らず交通事故の場合は、警察の実況見分と事情聴取が行われます。
本来ならば、被害者・加害者双方の事情聴取が行われるのですが、死亡事故の場合は一方が死亡しているため、生存している一方からのみ事情聴取が行われます。
その際、多くの加害者は『自分に有利になるように証言』します。
例えば、歩行者が青信号で横断歩道を渡っている時に、信号を無視した自動車にはねられたとします。
本来ならば自動車の方が100%悪いのですが、加害者が「歩行者が赤信号なのに、横断歩道以外のところから飛び出してきた」と言った場合、目撃者がなければ加害者の証言が通ってしまいます。
死亡事故の遺族からすると悔しい思いでしょうが、警察も年間数千件も交通事故が発生しているため、テレビニュースで大々的に報道されるような死亡事故でもない限り、人員を割けないのが実情です。
「街中には防犯カメラも多いし、何よりドライブレコーダーが加害者の自動車についていれば、事故の内容が分かるのではないか?」と、思われるかもしれませんが、ドライブレコーダーに提出義務はありません。
提出義務があるのは、裁判となった際にドライブレコーダーを証拠として使うと裁判所が定めた場合です。
裁判所の命令なので、提出しなければ違反となります。
加害者側からすれば、自分の不利になるドライブレコーダーを提出することは稀ですし、証言で嘘を言っている場合には提出はほぼ絶望的になります。
そのため、目撃者や他の自動車のドライブレコーダー・防犯カメラなど、第三者の証言や証拠がない限り、加害者側が有利になってしまいます。
死亡事故の刑事裁判でも加害者に有利になり、被害者の遺族が想像していたよりも軽い量刑が下ってしまいます。
このようなお話から、交通事故で死亡した側が不利ということがお分かりに思いますが、これらの一番の問題点は『交通事故の遺族が全く知らないところで、話が進んでいくこと』です。
警察から死亡事故の事情聴取の状況や調査の進行具合、起訴されるかどうかなどの連絡が来るのは、ほぼありません。
遺族が警察に問い合わせたり、刑事裁判に参加したり、加害者の刑事責任がどうなったかを知る方法はあるのですが、被害者遺族が自ら手続きをしなければいけません。
そのため、死亡事故の真相もわからず、裁判がいつあったかも知らず、加害者にどのような判決が下ったかも知らされず、事故の示談も保険会社としているので加害者が今どうしているかもわからないと言ったような、死亡事故の遺族が数多くいます。
家族が交通死亡事故に遭ったらまずは弁護士へ相談を

そのようなことを避けるためにも、弁護士に相談をする必要があります。
弁護士ならば依頼人に代わって警察に捜査状況を問い合わせすることもできますし、その中で交通事故の状況におかしい所があれば、調査を依頼することができます。
弁護士が調査することもありますが、交通事故の調査のプロである交通事故調査員に依頼することもあります。
また、刑事裁判となった際には、裁判結果を知ることはもちろんのこと、遺族として意見の陳情をする手続きも頼むことができます。
一番の利点としては、加害者との話し合いを弁護士に任せることができます。
家族を死亡させた者と冷静に話し合うことは難しいですし、示談はお金が絡むため加害者とは対立する可能性が高いからです。
早い段階で弁護士に依頼をして対処に当たらせる方が、のちのち有利になりますし、遺族自身の負担が減るため、家族が死亡事故に遭われた時点で弁護士への依頼を検討した方が良いでしょう。
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死亡事故の場合、生存している者からしか聴取が出来ないため、被害者の過失割合が大きくなることがある。遺族が納得できないのであれば早期に弁護士に依頼するとよい。死亡事故の示談を弁護士に頼む利点は? 坂出市本町 N様
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死亡事故の示談の時効は通常死亡事故の翌日から5年であるため、その間に示談をすればよいが、加害者との交渉がわずらわしいのであれば弁護士に依頼をするとよい。死亡事故の示談金額はどう決めるのか? 東かがわ市入野山 T様
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交通事故で家族が死亡事故に遭った場合の示談金額は逸失利益・死亡慰謝料・遺族への死亡慰謝料の合計で計算される。