麻痺が残っている
交通事故で足に麻痺が出ています。補償は? 坂出市駒止町 E様

【質問】
2週間前に交通事故に遭ったのですが、足に麻痺が出ています。
歩けなくはないのですが、走れと言われると無理な状態です。
この場合、相手に対して補償を求めることが出来るのでしょうか?
E様(坂出市駒止町)
弁護士からのアドバイス
坂出市駒止町のE様、ご質問ありがとうございます。
交通事故で受傷し、その後治療を重ねたが完治しなかった場合、その症状を『後遺障害』として、加害者側に後遺障害慰謝料を請求する流れになります。
坂出市駒止町のE様の場合、交通事故から2週間ということですので、治療途中であると思われますので、完治する可能性もあります。
しかし、麻痺の原因が脊髄損傷の場合は、脊髄の損傷は現在の医療技術では治療不可能であるため、完治しないと言えます。
また、脊髄損傷以外が原因の麻痺であっても、治療やリハビリを重ねても、残念ながら麻痺が残るケースがあります。
では、麻痺が残った場合には、全面的に加害者に後遺障害慰謝料として請求できるかと言うとそうではありません。
医師が『足に麻痺が残っている』と後遺障害があると診断をしても、後遺障害慰謝料が請求できるかどうかは、『後遺障害等級の取得』が必要になるからです。
例えば、足に麻痺があると言っても、『両足が完全に動かない下半身麻痺』と『右足の親指が痺れている』とでは、雲泥の差があります。
両足が完全に動かないかは半身麻痺であれば、日常生活に支障が出ますし、場合によっては交通事故前にしていた仕事を辞めなければいけません。
しかし、右足の親指が痺れているといった程度であれば、多少の違和感があったとしても交通事故以前と同じ生活が送れることの方が多いと思われます。

このように、同じように交通事故で後遺障害を負った場合にでも、症状の重い軽いがあるため、後遺障害の重さを表すために後遺障害等級というものがあります。
後遺障害等級は診断した医師が決めるのではなく、医師の診断書や書類により、自賠責保険が決定します。
正確には、自賠責保険に提出された書類を損害保険料率算出機構がチェックします。
損害保険料率算出機構は書類に不備がないか、疑問等があった場合には調査し、自賠責保険に審査と調査の結果とともに、『○級相当の後遺症』『後遺障害に該当しない』といった報告をします。
その後、自賠責保険は後遺障害等級と過失割合に応じた保険金額を計算して、申請者に支払います。
坂出市駒止町のE様の場合は、事故から2週間ということと麻痺の原因がご質問ではわかりかねるため、正確には答えづらいのですが、治療やリハビリを重ねた上で麻痺の症状が改善せず、医師が麻痺を後遺症状として症状固定した場合、後遺障害があるということになります。
そこからさらに、自賠責保険(と損害保険料率算出機構)が、後遺障害等級認定をすれば、後遺障害慰謝料請求が出来るという流れになります。
後遺障害に関するご相談で多いのが、『後遺障害があるにも関わらず、後遺障害等級認定がされなかった』というものです。
自賠責保険の後遺障害認定は、後遺障害が残っていることはもちろんのこと、『後遺障害によって日常の生活、および就業に支障があるか』も重要視しています。
そのため、『後遺障害があっても、日常生活に支障がない、もしくは影響が少ない』といった場合には、認定をしない、もしくは認定の等級を軽くする傾向があります。
坂出市駒止町のE様の症状を見ると、『走れないけれども歩けなくはない程度の麻痺』とのことで、症状固定後に痛みの有無や杖などの歩行器具の必要性がどうなるか不確定のため断言できませんが、仮に痛みが無く歩行器具の必要が無い場合には、後遺障害等級は一番軽い14級か後遺障害等級認定がされない可能性が高いです。
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