脊髄損傷で必要となった車いすの購入費用の請求について

麻痺が残っている

脊髄損傷で車いすが必要に。示談前でも費用請求できる? 高松市多肥上町 N様

6月4-1

【質問】
交通事故で脊髄損傷による下半身麻痺となり、車いすなしで移動が出来なくなりました。
保険会社とは示談交渉前なのですが、車いすの購入費用を請求することができますか?

N様(高松市多肥上町)


弁護士からのアドバイス

高松市多肥上町のN様、ご質問ありがとうございます。

交通事故で脊髄損傷となった被害者が加害者に治療費用などを請求する際には、一般的に3通りの方法があります。

1つ目は、初めから加害者が直接請求先に支払うケースです。
入院が必要となるほどの大きな怪我で、加害者が自動車保険に加入している場合には、保険会社が被害者の治療費を病院に直接支払うケースがあります。
病院からすれば、保険会社に請求すれば必ず支払ってくれるので、治療費の不払いが起きず安心できますし、保険会社も直接病院から請求が来るため正確な治療費が把握できます。
また、被害者の方も自腹で建て替える必要が無いため、安心して治療が受けられるという利点があります。

2つ目は、被害者が一旦立て替えた後、その都度あるいはまとめて示談前から加害者に請求するケースです。
これは、加害者が自動車保険に加入していない場合に多く、例えば被害者が全治3か月の怪我であれば、1か月分ごとの治療費を添えて加害者に請求して受け取るという方法です。
被害者からすれば「なぜ被害者である私が立て替えしなければならないのか?」という不満がありますし、加害者からすると「先に前金で支払っても、本当に病院に行くのかわからない。」という不安があるため、被害者と加害者の希望の折衷案とも言えます。
被害者からすると一時的な金銭的負担はありますが、請求のつど戻ってきますし、加害者からすれば病院の領収書があるため、支払い内容に疑問が無いため、問題が起きにくいと言えます。


6月4-2

3つ目が、示談時にまとめて加害者から被害者に支払う方法です。
これは、むち打ちなど比較的治療費の負担が低い場合に多くみられます。
一時的に被害者が治療費などを負担し、示談時に示談金の支払いとは別に、治療費などの返還を受ける方法です。
被害者が一時的に負担する期間が長くなるという欠点はありますが、まとめて請求するためその都度請求するよりも手続きの負担は減ります。

高松市多肥上町のN様のケースでは、医師から『交通事故による脊髄損傷の後遺症により、車いすが必要不可欠』との診断が下りている場合には、車いすの購入費用を加害者側に請求することができます。

その際の費用の請求方法ですが、先述した3通りのどの方法もとる事が出来ます。
高松市多肥上町のN様の都合に合わせて選ばれるとよいのですが、少し注意が必要です。
保険会社も医師から『交通事故による脊髄損傷の後遺症により、車いすが必要不可欠』との診断が出ているのならば、車いすの購入に関して異議を申し立てることは少ないでしょうが、購入する車いすの種類や費用に関しては、注文を付けてくると考えられます。

例えば、被害者が電動の最高級の車いすの購入を希望していても、保険会社は手動の最低限の機能しかついていない車いすの購入しか認めないこともあります。
そうなると、おのずと保険会社が提示する車いすの購入予算は低いものとなるため、保険会社に確認をせずに希望する車いすを購入してしまうと、予算の超過分は持ち出しとなってしまうことがあります。
裁判における判例でも、車いすの必要性は認めつつも、無条件に金額の上限を撤廃しておらず、いわゆる『相場』というものを重視しています。

高松市多肥上町のN様の脊髄損傷の後遺症の度合いなどが正確にわかりかねるため、一概には言えませんが、重度に障害があり自身では車いすが動かせない、もしくは高齢で長時間自力で動かすことが不可能といった場合には、電動の車いすの購入も許可される可能性が大きいです。
そのため、事前に弁護士に相談をして、適切な車いすの購入費用を保険会社に請求する方が問題が起きにくくなるでしょう。

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