相手が後遺障害を認めない場合、どうすればいい?

後遺障害等級認定でお悩みの方

交通事故の相手が後遺障害を認めない場合には? 高松市昭和町 G様

6月4-1

【質問】
交通事故で腰を強打したため、通院をし続けて6か月たった今でも痛みが引きません。
そのため歩くのも困難であるため、後遺障害だと言っているのですが、相手が認めないです。
後遺障害と認めさせるにはどうすればよいですか?

G様(高松市昭和町)


弁護士からのアドバイス

高松市昭和町のG様、ご質問ありがとうございます。

交通事故の怪我や痛みが長引いている場合でも、即後遺障害と認められるものではありません。
そもそも交通事故による治療費の範囲と後遺障害とは、『健康保険適用内の治療を続けたが、医者が「これ以上治療を続けても良くならず、交通事故以前の状態までは治らない」と判断した際に、現れている障害を後遺障害とする』というものです。

医師が『健康保険適用内の治療を続ければ改善する』と判断している間は、どんな症状が現れていても『治療中』であり、『後遺障害』ではないのです。
そのため、加害者側と後遺障害について話し合いをする際には、まずは医者が「これ以上治療を続けても良くならず、交通事故以前の状態までは治らない」とする症状固定をする必要があります。

症状固定時に残っている障害を、後遺障害として自動車損害賠償責任保険(自賠責)に申請をして認定してもらってから、晴れて後遺障害として相手側と交渉できるという流れになります。
もし、高松市昭和町のG様が症状固定をしていないのであれば、まずは後遺障害認定のスタートラインにも立っていないということになります。
症状固定をしていて、自賠責に後遺障害認定の申し立てをしているのであれば、自賠責から後遺障害認定の通知が来てからが、相手と交渉する本番と言えます。

しかし、自賠責保険からの返事が『後遺障害とは認めない』もしくは『自分が思っていた後遺障害の等級より低かった』という場合には、問題が発生します。
この場合、取るべき方法は2つあり、1つ目は『自賠責からの通知を受け入れてあきらめる』、もう1つは『異議申し立てをして、後遺障害認定の再審申請をする』というものです。

自賠責保険からの通知を受け入れる場合には、その通知に書かれた後遺障害等級(もしくは後遺障害等級に該当せず)に準じた示談を加害者側としていくことになります。

再審請求をする場合には、新たに書類を作成し直す必要があるため、時間と費用が掛かります。
1度結果が出たものに対して再審を請求するのですから、はじめに出した書類と同じでは絶対に結果が覆ることはありません。
さらにはじめよりも審査が厳しくなる傾向があり、再審請求の等級変更率は約5%とかなりの低確率であることが分かります。


6月4-2

つまり、後遺障害等級の認定は1度で狙っていた等級を受けるのがベストであり、それよりも下となった場合にはどう対応するかが大きな問題となってきます。
医師が交通事故の後遺障害用の診断書の作成になれているのであれば心配は少ないですが、書きなれていない場合には審査の際に判断材料となる文言が書かれていなかったり、レントゲンなどの画像が添付されていない可能性もあり得るため注意が必要です。
診断書は医師にしか作成できませんが、心配であるのならば交通事故に精通した弁護士に相談をするという方法があります。
そういった弁護士であれば、後遺障害等級が認められやすい診断書がどういったものか理解しているため、自賠責に提出する前に事前にチェックして、過不足があるのであれば医師にお願いして修正してもらえばよいです。

自賠責から後遺障害認定を受ければ、相手側が後遺障害を認めないと言ってきたとしても、「厳しいと言われる自賠責保険の後遺障害認定を受けている。」と反論することができます。
相手方もよっぽどの事情が無い限り、裁判となった場合『後遺障害と認めない』という主張が通らないのは容易に想像が出来るため、折れてくると予想できます。
まずは、医師に相談をして症状固定をした後、後遺障害認定の手続きを進めるのが良いと思います。

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